第59章 匂い
安室さんが出てくるまでに、使ったお皿などを洗っておいた。
数枚しかないからすぐに終わった。
歯を磨いたり、自分の家かのように勝手をさせてもらった。
「おまたせ。お皿ありがとう。」
「ううん、勝手にごめんね。」
キッチンのテーブルに座ってお茶を飲んでいると、頭をよしよしと撫でてくれた。
「安室さんって…」
「ん?」
「すぐ頭撫でるよね。」
「…そうだったか?」
「動物になった気分…ふふっ」
「そう、それだよ。撫でた時、めぐみ気持ちよさそうに笑って僕を見上げてくれるんだ。」
「…そうかな?」
「飼い主になった気分。」
「なにそれ。真似しないで。」
私は立ち上がって、お茶のペットボトルを冷蔵庫に戻した。
「ほら、おいで。寝よう。」
「私行って狭くない?」
「狭いさ。それがいい。」
今まではホテルとかだったから広かったし、その…安室さんが激しくて、やり過ぎて気を失うように寝てたから、こうやって改まって一緒に寝るのは初めてだ。
すでに横になってる安室さんの横に「お邪魔します。」と、座った。
「くくっ、座ってないで寝てよ。」
くいっと服を引かれ、ぽすっと安室さんの胸元の近くの布団に顔を埋めた。
シングルサイズのベッドにこのびっくりするくらいのイケメンの横に寝てしまってる。
「…いい匂い。」
安室さんの胸元に鼻をつけつい声に出してしまった。
「もう一回やりたいの?」
「おやすみ。」
「ふふっ、おやすみめぐみ。」
頭を優しく撫でられながら、私はゆっくりと目を閉じた。