第59章 匂い
ベタベタになってしまった身体をきれいにしようと、シャワーを借りた。
…安室さんの家のシャワーってだけで緊張してしまう。
あのサラサラの髪の毛はこのシャンプーによって作られているのか。
と、無駄に多めに液を垂らし泡立ててやった。
持ってきていたルームウェア(と言ってもただのスウェット)を着て出ると安室さんが申し訳なさそうに救急箱をもって座っていた。
くるくるくると両手首に包帯を巻いていく。
血が出るほどではないが、綺麗な輪っかの赤い鬱血ができていた。
このままだと目立って仕方ないが、だからといって包帯も目立つと思うが。
「ごめん。」
「もうしないからね。」
「……次は布を巻いてからにしよう。」
「おい。」
「めぐみをこう…なんていうんだ、支配したと言うか、涙を流して乞いている感じというか、屈している時が、たまらなく好きなんだ。」
拳を握り、机を叩く安室さん。
「…何を言っているの?」
「…くっ、男のロマンは通じないか。」
「私は…その…ちゃんと抱きしめたかった…です……。」
「めぐみっ」
包帯を巻き終わった安室さんは私をぎゅーーっと力強い抱きしめた。
私もやっと自由になった両手を安室さんの背中に回した。
…相変わらず、見た目以上に胸板が厚く、想像の5倍力強い。
要するに苦しい。
「でも、やっぱり興奮した。めぐみがすごく可愛かった。めぐみもいつも以上に濡れてたしイクの早かったからきっとめぐみも心では…」
ゴッ
「馬鹿なこと言ってないではやく安室さんもシャワー浴びてきてください。」
ゲンコツを安室さんの頭に落としてやったが何も気にしていない様子。
「まだ一回しかしてない。」
「もうしないっ!寝る!」
「…。」
「そんな顔してもだめ。明日早いんだから、寝ましょ。」
「今日はめぐみが、反抗的だな…。」
ぶつぶつ文句を言いながらも安室さんはパンツ姿でシャワーに向かった。