第57章 捕まってて
「ご馳走様でした。」
「いいえ。めぐみさんがサンドイッチ持ってきてくださったおかげで助かりました。僕片付けるのでシンクにそのままでいいですよ。」
「…いえ、洗いますよ?」
「そんなことより。早く。我慢の限界なので。」
キッチンのシンクの前に立っていると、手首を引かれ畳の部屋に連れてこられた。
「あ、あの…」
「はい?」
「いつまで…その…」
「安室透?嫌いですか?」
首をかたむけ寂しそうに言う安室さん。
変幻自在すぎて、あっぱれである。
「嫌いなわけないじゃないですか。最初はずっとそうだったもん。どんな安室さんも…」
「何ですか?」
好きですって言う勇気が私にはまだない…。
「どんな安室さんもやっぱり安室さんです。」
「…そうですね。」
「でも、そのスーツですっごく優しい紳士な安室さんはちょっと違和感かな。」
くすくすっと笑う。
手を引かれ、一緒にベットに座った。
隣にいる安室さんにはきっと私のこの鼓動は筒抜けだ。
「めぐみさん…」
ゆっくりと優しい顔の安室さんが近づいてくるーー…
カチャン
「え?」
「めぐみ。確保。」
「はっ!?」
手首には手錠。
目の前にはニヤニヤ笑う安室さん。
「なんだ。僕はいつもすっごく優しくなくて紳士じゃないみたいじゃないか。」
「えっ!?ちょっと!これ!」
両手首に手錠をかけられ、安室さんは小さな鍵をくるくると回している。
「ん?」
「ん?じゃなくて!え?本物?」
「当たり前だろう。なんで僕が偽物持ち歩いてるんだ。」
カシャンガチャガチャと手首を動かしてみるも、全然取れる気配がない。