第56章 作戦
「別にそんなにリーダーが重要でも無いだろう。」
「それは私が判断することではないけれど、リーダーって尊重だから。弱いと判断されれば一気に崩される。安室さん達は南の奴らのバックにいる密輸組織を引っ張り出したいんだよね?」
「…南のやつら。あぁ。そうだ。」
南の奴ら…湘南木更津のことだ。私は昔っからどうも気が合わない。
「弱いと判断されれば絶対出てこないと思う。むしろこちらが強いんだと思わせて、直接密輸組織と対話した方が早い。」
「…。」
「それを私がしたいわけじゃ無い。私以外にそれが出来るのであれば。」
「出来ればめぐみは使いたく無い。女性捜査官がその役目ができるか試そう。」
「なら、私を勧誘してきたタローくん達に判断してもらう?潜入するなら彼らの協力があってもいいと思う。」
少し考え込んで、安室さんは頷いた。
「そうだな。その時は僕は『警察に知り合いがいる安室透』として潜入させてもらう。」
「安室さんも?」
「当たり前だ。お前だけでいかせない。」
「私はそういう設定考えるの苦手だし、すぐボロが出るタイプだから簡単なのにしてっ!」
「ははっ、わかったわかった。」
くしゃっと頭を撫でられた。
それがなんとなく嬉しくて安室さんを見上げていると、ふと手が止まった。
「?」
どうしたのだろうと、見つめていると、眼鏡を取られてしまった。
「僕の席にめぐみがいるってだけで…なんだろな。自分が公安だと忘れてしまいそうになる。」
「あむっ…んっ」
軽く触れるだけのキス。
だけどなんだかとても熱かった。
「…だめだ。また興奮しそうになる。風見達呼んでくる。」
「…は、はい。」
慌てて眼鏡をかけ直し、私は赤くなった顔を隠そうと机に伏した。
イケメンの破壊力…やばい。