第5章 チェック
昨日のこともあり案の定、今日は閑古鳥が鳴いている。
梓さん一人でも良さそうな気がする…と、思いつつ大きなあくびをひとつ。
目をこすりながらパソコンをぽちぽちしていた。
「夏目さん、おはようございます。」
「わぁぅ!!」
いつのまに入ってきたのか、安室さんが真後ろに立っていた。
「音立てて入ってきてくださいよ!」
「普通に入ってきたつもりだったんですけど…驚かせてすみません。あれ?何かあったんですか…?」
「え?」
心配そうに私の目をじっとみる安室さん。そんな至近距離のイケメン。無理無理。
「泣いてます?」
「いーえ。大きなあくびをしました。急に朝から仕事だったので。睡眠不足です。」
「…。僕のせいですね、すみません。」
ええ。ええ。
あなたのせいですよー。
急に。の部分を強調して、言ってやった。
でも、思ったより安室さんはやく出勤してくれたので、私もはやく帰れそうだ。
まぁ、あれだけの事件に巻き込まれたのだから、あまり責めないでおこう。
巻き込まれたのか、自分から飛び込んだのか知らないのだけれど。
「そんなことより。はい、座ってください。」
簡易の長テーブルとソファに、安室さんを無理やり座らせ、私は安室さんの身体をジロジロ見渡した。
「あの…夏目さん?」
「怪我は?」
「え?」
車を修理に出さないといけないほどの事故。
きっとどこかまた血を出してるに違いない。そう思って救急箱を持ってスタンバイするも、安室さんは大丈夫と首を振った。