第42章 そんなの知らないっ!【3】
「はぁ!?」
つい大声をあげてしまった。
「なんだ、俺に抱かれたと思ったのか。」
「えっ、だって!!」
「俺は一度でもそんなことを言ったか?」
……言って………ないっ!
無いけど!服乱れてたよね!
下腹部に違和感あったから、何かはしたよね!
こんなところで言えないけれど!!
「……!私!あなた!きらい!」
「だからすまないと何度も言っただろう。」
「安室さん!!パンチです!やってしまいましょう!」
「…めぐみさん。」
「タバコけせっ!ばか!」
「面白い女だ。あぁ、これを返しておくよ。」
取り出したのはあの時のメガネと髪を結んでいたゴム2つ。
「俺がとって乱してしまったからな。預かっていた。」
「ぎゃーー!!」
なんでこう人の気持ちを逆撫でするようなことを!!
「めぐみさん。とりあえずパンチ2発でどうでしょう。」
ゆらりと赤井さんに向かって歩いていく安室さんをひらりとかわし、赤井さんはさっさと車に乗り込んだ。
「これ以上いるとめぐみに嫌われそうだ。退散するよ。またな。」
窓を開け、簡潔にそれだけ言うとさっさと車を走らせていった。
「こんなところでじっとしてるわけにもいきません。とりあえず乗ってください。」
赤井さんに置いてかれてしまい、小さなカバン一つしかない状態だ。
素直に安室さんの車の助手席に、乗り込んだ。
「あ、待って。コレ…」
髪の毛から抜き取ったのは髪留めだ。
「…盗聴器とGPSか。」
瞬時にわかるの流石すぎる。
安室さんはそれを受け取ると右手で握りつぶした。
…握りつぶした。
…つよい。
そしてゆっくりと車を走らせた。
「赤井と知り合ったのは、さっき言っていた通りか?」
「はい、おおむね合ってます。」
「今日は何をしてたんだ。」
「えと…FBIとして潜入するのに女性が一人足りないからきてくれって…違うFBIの捜査官の方と一緒に行動してました。」
「…あぶないと言われなかったのか。」
「歩くだけでいいって…。たしかに歩いてるだけでした。英語で何言ってるのか全然わからなかったし…。」
ふぅっと安室さんは大きく息を吐いた。