第40章 ごめんなさい。
「…めぐみ?」
「……っ」
「なんで泣くんだ。」
「…しらない。」
安室さんの気持ちなんてわかるはずない。
わかりっこない。
そんなのおこがましい。
ーー…だけど、少しだけ少しだけでも知りたい。
「めぐみ…。泣かないで。」
安室さんは起き上がって、私の顔を覗き込んで頬を流れる涙を指で拭った。
「泣いてません。」
別に安室さんの代わりに泣いてますなんて、ドラマみたいなことは言わないけれど、安室さんのことを考えると涙が止まらなかった。
「泣いてない…そうか。」
隣に座る安室さんは肩に手を回し、優しく抱きしめてくれた。
慰めてくれるように、背中をポンポンっとリズム良く叩いてくれた。まるで子供をあやすみたいに。
すりっと安室さんの肩におでこを擦り寄せると、ゆっくりと私達は離れた。
「落ち着いた?」
「…ごめんなさい。」
「いいさ。そんな日もある。」
なんだか急に恥ずかしくなって、俯いていると微笑む安室さんが頬を撫でて角度つけ顔を寄せてきた。
優しく触れるだけのキス。
「よかった。今回は拒否されなかった。」
「…ごめんなさい。」
「あのときも何かあったのか?」
「…。」
「言えない?」
「…ごめんなさい。」
「もしかして、宣戦布告してきた男と何かあったのか?」
「…っ」
なんでわかるんだろう。
「瞬きが増えた。何かあったんだな。」
全てを見透かされてるようで怖いーー…。
「…ごめん…な……んっ」
顔を見ることが出来なくてただ謝ろうとしたら、頬をつかまれ噛み付くようにキスをされた。
「…まっ…まって…んんっ……だめっ…」
「何をされた。」
「ふ…っん……っ」
本当に下唇を噛んできて、少し痛かった。
無理矢理舌が入ってきて、犯されていく。
いつもより乱暴で怖い…
「んっ…やっ…やめ……ひゃ…っ!」
ソファに押し倒されて手首を強く握られた。
「い、いたっ安室さんっ…やめて…」
「何をされた。」
「…っふ…お願い…離して…」
再び涙が溢れてきた。
こんな時に涙を武器にはしたくなかったけれど、申し訳なさと恐怖の気持ちが溢れてきてしまった。