第4章 裏のお仕事
夜11時ーーー。
私はもう1つの仕事場に来ていた。
マスターは喫茶店のほかにバーも経営していて、私も人が足りない時などたまーにこうやってお店に立つことがある。
ただ、メガネの形は昼間と変えて、ウィッグをつけて、男性バーテンダーとして立っている。お酒は作らない。バーテンダーというよりもこちらも在庫管理や運転手、経理を担当している。
声で女とバレるので、返事程度でほぼ接客もしない。
マスターは足を洗った元やーさんの息子。
だからマスター自身は何も悪い事はしていない。
ただ、こうやって戸籍のない私を働かせてくれたりなど、裏の世界の人とすこし繋がりがあるようだった。
だから、このお店にもたまにその手の人がお酒を飲みにくるので、梓さんや安室さんには絶対の秘密。
私が働く事で、組織の人にバレでもしたら、マスターにも危険が及ぶ可能性があるので、こうやって男装して、こっそり働きつつ情報も聞けたら聞こうという算段なのだ。
一石二鳥。