第34章 遠ざかる
「…も、もしFBIの力で私の素性を調べようとしたら私は姿を消しますから!もう2度と米花町には現れませんっ!」
「何故。」
「な、なんだっていいじゃないですか!だめ!もう私に何も聞かないで!」
話せば話すほどボロが出るのはわかりきってる。
私は自分の口に手をあて、もう話さないぞと態度でアピールをした。
「ひとつだけ。…君は組織の人間なのか?」
「それなら同じ質問を貴方します!」
「俺は違う。追うものだ。」
「私もです!追ってはいませんが!」
「…なら敵ではないということだ。……はぁ、今はそれでいいか。」
尋問のような空気がなくなり私は肩の力を抜いた。
「このこと、私が組織の存在を知ってることは誰にも言わないでください。あのお屋敷の持ち主の工藤新一くんにもコナンくんにも…FBIの上司にも…誰にも。」
「…?なぜそこまで。」
「静かに隠れて暮らしたいからです。あぁ、もう何でもいいじゃないですか。おしまい!もし言ったら私もいいますからね!沖矢昴は赤井秀一だって!安室さんたちに!」
「…それは困るな。」
「はい、交渉成立!秘密の共有!これにて終幕っ!帰りましょう!」
荷物をバタバタとまとめホテルを出る準備を始めた。
「うむ…」
エレベーターに二人で乗っていると未だに何か考え込んでるようだ。
この手の人達はずっと頭のなかで推理しているからやっかいだ…
何かわたし変なこと言っただろうか…
「今度沖矢昴の時に少し出かけたいことがあるんだが、君について来てもらいたい。」
「…え?」
「少し気になることがあってな。」
「私じゃないと…だめ?」
「あぁ、来てもらいたい。秘密を共有した仲じゃないか。お互い間違って口を滑らせないよう絆は深めておいたほうがいいだろう?」
「絆とか言って!今日のことで私は赤井さんへの信用ゼロですからね!赤井さんからもらうものはもう口にしません!」
「悪かったって。もうしない。」
「…絶対?」
「あぁ。」
「…許しはしませんけど、もうしないって言葉は信じます。」
「それでいい。」
二人で車に乗り込み、私は駅まで送ってもらうことになった。