第27章 再びあの家へ
お酒を飲んでいたこともあって、車もなかったため私たちは黙って歩き続けた。
「お邪魔しまーす…」
ふたたびここに来るとは思わなかった。
工藤家の玄関に入り、見渡した。
「こっちだ。」
ずんずんと進んでいく昴さん。
私はあわてて靴を脱ぎ、後ろについていった。
まさか主人公の実家に入ることになるとは…ここ5年の暮らしからしたら考えもしなかったことだ。
ついた場所は綺麗なキッチンとダイニングだった。
お湯を沸かし始める昴さん。
お茶を用意してくれるようだ。
私はどこに立っていたらいいのかわからなくて、とりあえずお茶を淹れる手伝いをすぐにできるよう昴さんの横に立った。
「少しここで待っててくれ。」
一言そういうと、キッチンから出ていった。
…緊張する。
お湯が沸騰しきる前に、昴さんは戻ってきた。
いや…立っていたのは昴さんじゃなかった。
驚いて、後ろに下がる。
だって、小さい頃の記憶のため曖昧ではあるけれど、立っていたのは目つきの悪い黒の組織の人物だと思っていた男性だったから…。
「君の前では初めてだな。赤井秀一だ。」
「…あ…え……?」
だ、だめだ。もう何年も前の記憶だ。
私の思い込み…?それともコナンくんを騙して近くにいる黒の組織の人…?
「めぐみ、騙していてすまない。」
「…そんな、謝らないで…ください。」
お湯が沸騰し始め、昴さん改め赤井さんは火を止めた。
「とりあえずコーヒーでも淹れよう。めぐみは座って待っててくれ、色々混乱しているのだろう。」
手伝おうとキッチンに来たのだが、私は赤井さんの言葉を素直に受け取りダイニングのテーブルに座って記憶を辿っていた。
すごく鮮明に覚えているのは、バスジャックの時だ。
一番後ろに座って目つきが悪く、コナンくんも疑ってて…でも、FBI…味方…あ、だめだ。デスノートの記憶が邪魔してくる。
昔見たいろんな漫画やドラマが混在してきて、はっきりとわからなくなってしまった。
頭を抱えて考え込んでいると、テーブルにことりとコーヒーが置かれた。
「まぁ、それが普通の反応だ。」
「……。」
「俺はFBI。日本で潜入捜査官として来日していた。」
赤井さんはカウンターにもたれながら話し始めた。