• テキストサイズ

そんなの知らないっ!【DC/降谷中心】R18

第23章 バーボン


安室さんは私の胸元についた赤いシルシをつーーっと指先でなぞると、爪でカリッと引っ掻いた。


「…っ」

ぞわっとして私は身を捩ると、安室さんは満足したようににこりと笑った。


「さて、めぐみさん。貴方には助けられましたが、色々とお話ししないといけなくなったので、すぐに帰せなくなりました。すこしお付き合い願えますか?」
「え?明日の朝のポアロに間に合えば…」


私はいそいそと服を手繰り寄せ、上から羽織った。

安室さんの足の上に乗っていたせいで、私の足にも少し血がついてしまっている。


直接傷口には触れないようには努力はしたけど、やっぱり痛かっただろうな。

「足…痛いですよね。」
私は運転席へと戻り、安室さんの表情を伺った。
「あいつからに逃げるためだと思えば平気です。…それにしてもめぐみさんの演技力には驚かされました。とっさの判断力も。」

安室さんはハンカチを取り出し、私の口元を拭き始めた。
そういえば適当に口紅をグルグルと塗ったから酷いことになってるはずだ。

「…自分でも驚いてます。もう必死でした…」
「口紅も。まるでたくさんキスした後みたいに乱して…」
「ドラマで見たことあって…私も探偵っぽくできたかな。」
「完璧です。助かりました。…すこし無茶しすぎでしたけどね。ちょっと電話をします。失礼。」

人差し指を口元にもっていき、私を黙らせると安室さんはどこかに電話し始めた。





「僕だ。…あぁ…無事だ。問題ない…が、負傷した。例のホテルをたのむ。今から20分後…あぁ。」


短く会話をすると、電話をすぐに切った。

真っ暗で狭い車内、黙って安室さんを見ていると、安室さんもこちらを見た。

「めぐみさん、すみませんが、この先にあるプリンスホテルに向かってもらえますか?」
「はいっ。」

誰かと落ち合うのだろうか…。


安室さんに言われた通り、私はエンジンをかけ、静かに車を走らせた。
/ 1084ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp