第23章 バーボン
必死すぎて自分が下着姿だと言うことを忘れていた。
誰に見せるわけでもない、その辺で買った安いブラジャー。
こんなものを男性たちに見せびらかしていたのかと思ったら恥ずかしくてたまらない。
「あっ…ふ、ふく!」
「めぐみさん、彼氏いないとおっしゃってましたよね?」
「は?」
「これは誰が?」
手で胸元を隠しつつ、視線をそちらに向けると昨日付けられた沖矢さんのキスマーク。
「あ。」
「あ。ってなんですか。」
「いやこれは…!というか、そんなことより足怪我してるんですから!早くどうにかしないと!」
「そんなこと?昨日ですか?抱かれたんですか?」
「は!?いやいや!ちょっと、落ち着いて、安室さん!」
「抱かれたんですか…?」
ぐっとすごい目で探るように見てくるが、もちろんそんなことはない。
怪我をしたせいでアドレナリンが出ているのか、少し興奮状態になってる気がする。
私は激しく首を振った。
「ないない!私に嫌がらせしたいだけですよ!『宣戦布告』とか言ってたから!」
「…なんだと?宣戦布告…?」
「わたしが以前すごい迷惑をかけてしまったから、その仕返し…なのかもしれません。」
自分だけキスを覚えてるのはずるいとかなんとか沖矢さんは言っていた気がするから、その仕返しで宣戦布告って言ってきたのだろうか。
「めぐみさん…その宣戦布告はあなたへ言ったんじゃありませんよ。」
「え!?」
「恐らく僕に宛てて言ったんでしょう。」
「な、なんで!?」
安室さんの目が力強く光った気がした。
「いいでしょう。またその人に会ったら伝えてください。『受けて立つ。』と。まぁ、負ける気がしませんが。」