第23章 バーボン
ガンガンっと少し乱暴に助手席の窓を叩かれた。
男が二人立っている。
私は窓を上から10センチほど開け、男たちを見た。
「なに?」
「お前……ちっ、なんだよ。女か。」
私は髪の前髪をかきあげ、下着の肩紐を直す仕草をした。
「男を探してる。お前らいつからここでヤッてる。」
「うるさいわね…いま…いいところなの…んっ…や…ちょっと、今動かないで。」
ガンッと男の一人が窓を強くたたき、持っている拳銃をちらつかせた。
「早く答えろ。ここに車が来なかったか。」
「ひっ…、や、やめてよ…ライトをつけてない変な車が一回入ってきて、しばらく停めた後出て行ったわ。…それだけしか知らない。」
「そうか。……よく見たらお前いい女だな。今度相手してやろうか。」
「おい、やめろ、急いで追うぞ。」
「この人に飽きたらね。」
男達が去ったのを見て私は窓を閉めた。
「ここここここここ…恐かったぁーーー!」
へにゃへにゃと力が抜け、私はどっと汗をかいた。
ガタガタと震えが止まらない。
そのままパタリと安室さんの胸の上に倒れ込んだ。
「…めぐみさん。」
安室さんは帽子をとり、私のあたまを撫でた。
「ごご、ごめんなさっ!足痛いですよね…!」
「…貴方、無茶しすぎです。」
「た、探偵ってヤバすぎません!?安室さん日々あんな悪人と戦ってるんですか!?そりゃ怪我もしますよ!」
「…た、たんてい?貴方アレを探偵のしご…いや…。」
「探偵ってこわい…私は探偵にはなれないって確信しました。」
「……。そうですね。ちょっと今回は特別な依頼ではありましたが…依頼人のことがあるので、またいつものように…」
「言いませんっていや、言えませんっ!」
私は安室さんの上から退けようと上半身を起こした。
すると、ガシッと私の二の腕を掴み、安室さんも一緒に起き上がった。
狭い車内。
二人で座れるには窮屈で後ろに落ちてしまいそうになった私を安室さんが手で支えた。
「足痛いですよね…!すぐどけ…」
「なんだ。これは。」
じっと一点を見つめる安室さん。
私の胸元だ。