第23章 バーボン
私は立ち上がり、路地を見渡した。
銃を撃った男たちは銃を一斉に撃ち、リロードをしているようだった。
二人はこちらに向かって来ている。
その二人から見えないようにこそりと安室さんのところに行くと起き上がり、足を引きずっていた。やはり左足を負傷しているようだった。
「こっち。」
「…っ!貴女.…!」
安室さんの手首を掴むと私は足音を立てぬよう走り出した。
ポタポタと音がする。
「血の後でバレちゃいます…!痛いけど早く走って!」
「…!」
安室さんと一緒にわたしは先程停めていたガソリンスタンドまでやってきた。
ここは煌々と明るく光が照らされているため、安室さんの血の跡がよくわかる。
急いでココから離れないと。
「乗って。」
「これ、めぐみさんの車…?」
「はやくっ!」
安室さんが助手席に乗り込むのを確認して私はクラウンを走らせた。
車のライトはつけられない。
闇に溶け込まないと。
「…まずはお礼を言います。」
少しの静寂のあと安室さんがそう言った。
「この先に僕の車があるのでそこで降ろしてください。」
「あんな白くてエンジン音のすごい目立つ車にのったら一瞬で見つかっちゃいますよ!」
「…だめです、なぜあそこにいたのかとか、色々聞きたいことはたくさんありますが、これ以上めぐみさんを巻き込むわけにはいきません。」
「この車はハイブリッドなので静かだし、黒いから目立ちません。」
ライトをつけず、ゆっくりと走らせ、すでに閉店しているドラッグストアの広い広い駐車場の端っこにとりあえず停めた。
何台か無断で停めてる車もいるから紛れ込むにはちょうどいいと思った。
「待っててください。」
私は素早くトランクから簡易の救急セットを取り出し、再び運転席に戻った。
外で作業なんてしてたら目立ってしまう。
「足、早く止血しないと。」
「大丈夫です。僕はすぐ立ち去ります。」
「怪我してます。見つかったら…」
「応援を呼びました。まもなく来るのでそれまで身を潜めます。めぐみさんはすぐ逃げてください。今日あったことは他言無用でお願いします。また色々お話を…」
「私のことはいいから足まだ血が出てるんですよね?」
「いいわけないだろう!いいから俺の言うことを…!」
怒鳴りつけて来た安室さんの胸ぐらを掴んだ。