第19章 謝罪
昴さんの車の中で私は昴さんの家に向かっていた。
……どうしてこうなった。
あのまま話の流れで昴さんの住んでる家には沢山のミステリー小説があるから何冊か借りるということになってしまった。
うまく言いくるめられた感がいなめない。
家の中までは入らないという条件で誘いに乗ったのだが、そもそも車でいくとは思わなかった。
勝手に駅の近くに住んでいると勘違いしてしまった私も悪いのだが。
ちいさな可愛い車。
何という車なんだろう。
背の高い昴さんが乗っていると余計に小さく見えた。
中は意外と狭く、昴さんがすごく近くに感じる。
「つきました。ここです。」
閑静な住宅街。周りは豪邸で一軒家ばかり。
駐車場からでて、向かった先は洋館のような大きな家だった。
「すごい…昴さんのお家すごいですね。」
語彙力なんてどこかにいってしまって、すごいとか言いようがなかった。
「実は少し前に住んでいたアパートが火事にあって、住むところがなくなったしまってね。ご厚意でお借りしてるんですよ。」
「火事?それは大変でしたね。怪我とかなかったんですか?」
「僕はその時部屋にいなかったので。」
「よかった。」
「なので、家主の許可なく女性を寝室に連れ込もうなんて最初からしようとは思ってませんのでご安心ください。行く時はホテルに誘いますよ。」
「なっ!ほっ!」
そういえば、最初にダンスパーティーであった時も近くのホテルに行こうと誘ってきた気がする!
「今日は純粋に本をお貸ししますよ。」
どうぞっと、玄関を開けて私を中に招こうとしている。
でも、私は元々家に入らず玄関の外で待ってるつもりだった。
私が躊躇っていると昴さんは私の手をそっと引いた。
「言ったでしょう?その気はないと。外は冷えます。せめて玄関の中で。」
本を貸してくれようとしている好意に対して、ここまで警戒しても逆に失礼だよね。
「家主の方は?何もお土産をもってきてません。」
「今は海外にいるので僕一人です。気にしないでください。」
本を探してきます。と、玄関に私を残し、昴さんだけ家の中に入った。