第144章 ハッピーバレンタイン
「急に時間制限付けるなんて卑怯だぞ。」
「だって、そうでもしないと零さんすぐわかっちゃ……まって、痛い痛い!いててて!」
ほっぺをつねる力が普通じゃない。
「肉、もぎ取られるかと思った。」
「タローとジローだろ?」
ほっぺをさすりながら私は頷いた。
「うん、お店にわざわざきてくれてプレゼントしてくれたの。」
「流石総長。慕われてるな。」
「ふふ、素直に嬉しいよ。さ、ご飯にしよう。」
ぽんっと零さんのおでこを撫でると、零さんむくっと起き上がった。
「手伝うよ。」
「ううん、シャワー浴びて着替えてきて?今日のデザートは特別だよ。」
バレンタインだからねって言うと、零さん微笑み頷いた。
ハートの形のハンバーグに挑戦してみたり、赤いパプリカをハートの形にしてスープに入れたり、私らしくないのは分かってるけど、今日くらい特別に…。
料理を見た零さんは少しだけ目を丸くさせた後、私の頭にキスをした。
「くくっ、可愛いことするんだな。」
「今日だけ!もうしない!」
型とかないから、包丁でハートの形に切るのは難しくて、ガタガタになったハートは私のスープの中に入ってる。
「愛が詰まってる。」
「…もう、いいから早く食べよ。」
「まって、待ち受けにする。」
スッとスマホを取り出す零さんに私は顔を赤くして箸を突き出した。
「いいよっ!」
「いや、撮る。」
真顔で私の料理を真上から撮り始めて恥ずかしい…。
「風見に見せる。」
「風見さん反応に困るって。やめて。ほら、食べるよ!」
私は箸をブスッとハートのハンバーグの真ん中に突き刺し割った。
「あー。」
「いいの!食べるの!」
「僕はハートは割らない。端からいく。」
「もう、好きにして。」