第144章 ハッピーバレンタイン
「ただいま。」
玄関から零さんの声が聞こえてきて私はキッチンから顔を出した。
「思ったより早い!お疲れ様。」
「あー、疲れたー。癒してめぐみ。」
「ごはんまだ作れてないの。」
「じゃあ先においで。」
零さんに呼ばれ私は鍋の火を消すとリビングに向かった。
ぽんぽんとソファを叩かれて察した私はそこに座った。
すぐさま零さんの頭が降りてきて、私はそっと頭を撫でた。
「充電。」
「最近は忙しいの?」
「そうだな。でも今日はポアロは休みもらったから。」
「代わりにチョコたくさん預かったよ。」
安室さん目当てのお客さんからたくさん預かったが、公安である零さんはきっと開けることすらしないだろう。
膝枕をしたまま零さんはキッチンの机の上を指差した。
「あれ?」
「ううん、あれは私の。」
「めぐみの?貰ったのか?」
「まぁね。モテるでしょ。」
「…誰だ赤井か。」
「なんで赤井さんが私にくれるのよ。誰か当ててみて。推理が得意なゼロさん。あ、見に行っちゃダメよ。ここで当てて。」
「見ないで当てるのは難しいな。今日はどこか行った?」
「今日はポアロだけ。」
「そうか…じゃあいつもポアロに来るお客さんか。」
膝の上に頭を置いたまま、手を顎にやり真剣に考える零さんが可愛い。
生え際のあたりをさわさわと撫でながら、私は微笑んだ。
「…コナンくんは市販のものは買わないか?あのコナンくんの近くにいる賢い女の子ともめぐみは仲良かったな。」
哀ちゃんのことだろう。
二人は違う。今日は会ってない。
「一番可能性が高いのは梓さんだが、それだと普通過ぎるな。」
「ふふ。あと5秒ね。」
本当に当ててきそうだと思って、私は時間を決めた。
「5秒?待て…誰だ?…あ、あの二人か!」
「ぶー時間切れ。」
「まて、わかったから。」
「だーめ。時間きました。」
負けず嫌いな零さんはむっとして、私の頬に手を伸ばして頬をつねってきた。