第143章 日本を愛する貴方へ
私は渋る零さんを引っ張って赤井さんのところに来た。
「んもう。わざわざ来てくれたんだから。」
「呼んでない。」
「私が呼んだのっ!ほら!」
「相変わらずだな。」
そう言う赤井さんは、小洒落たジャケットを着ていて、帽子を被っておらず、いつもと違う感じがした。
「綺麗だな、めぐみ。」
「ありがとう,赤井さん。」
「当たり前だろう。めぐみだぞ。」
訳のわからんことを言う零さんを無視して私たちは話を続けた。
「幸せになれよ。」
「はい。……いっぱい……いっぱいありがとう。赤井さん。」
「泣くな。綺麗にしたんだろう。」
そうだ。泣いたら化粧が崩れてしまう。
でもたくさん助けてもらって…。
逃げる時も、困った時も、助けてくれて、支えてくれて、寂しい時は胸を貸してくれたーー…
「赤井さんーー…、赤井さんも絶対幸せになって…」
「降谷君と喧嘩したりしたら来るといい。また昔の話をしよう。」
「するなっ!めぐみに変なことばっかり吹き込んで!」
「降谷君。」
「…なんだ。」
赤井さんが真剣な目で零さんを見つめたので、零さんもむっとしながらも彼をみた。
「早く終わらせよう。…あいつらとの決着を。」
「…。」
「そうしたらアメリカに帰れる。」
「…今すぐ帰ってもらっても構いませんがね。」
「終わってしばらくしたら君たちの子供でも見にこよう。」
「…娘はやらないぞ。」
「ふ、それは考えてなかったな。」
こんなに二人が話をしているのを見たことがない。
内容は本当に変なことを話しているけれど、なんとなく嬉しくて私は黙って二人の会話を聞いていた。
いつか…本当にこの先の未来。
組織を壊滅するとこが出来たのならーー…
そんな未来があることを信じて。