第15章 お酒
お店の人にいくつかおつまみ程度のものと、ビールを注文した。
普段あまりビールは飲まないのだけど、こういう時ってとりあえずビールなのかなって。
「甘いお酒でいいんですよ?」
「え?」
「以前コンビニでは甘いお酒しか買ってませんでしたよね?」
いや、袋の中見たのか!
女の子の買い物内容みちゃだめだぞ。
「大丈夫。飲めますよ」
別に飲めないわけではない。確かに甘いお酒を好んで飲むことが多いが、楽しく飲めたらそれで大丈夫だ。
「めぐみさんは、お仕事は?」
「私は知り合いのお店のお手伝いです。雑用してます。昴さんは?」
「僕は大学院生です。」
「たしかに頭良さそう!何を学んでるんですか?」
「工学部ですよ。」
「へー!意外!」
「…意外ですか?」
「何となく、理数っぽいなって。」
「初めて言われました。」
「と言っても、工学部が何するところなのかよく解ってないんですけどね。」
大学に通ってなかったわたしにはよくわからない世界だった。
興味津々で色々質問してしまった。
左隣に座る昴さんが気分を害してないか気になってチラリと見たが、ぜんぜんそんな感じもなく、むしろ口元は優しく微笑んでいた。
安心して私はぐいっとビールを飲み干した。
飲むペースは私はゆっくりで、昴さんはすでに二杯目を飲み終えようとしていた。
「それ何飲んでるんですか?」
シャンパングラスに気泡ができている。炭酸の何かだろうか。
透明でとても美味しそうに見えた。
「僕も気になって飲んでみたんですよ。美味しいですよ?めぐみさんも頼みますか?」
そう提案され私は頷いた。
「すみません、彼女にこれと同じものを。」
カウンターの中にいたウェイターさんにたのむと、すぐにそれを持ってきてくれた。
シュワシュワしてる。
「美味しそう。」
そう言って私はひと口くいっとグラスを傾けた。
「どうです?日本酒のスパークリング。」
「ぐっ……!」
これ、日本酒!?
三口ほど飲んで、私はグラスの中身を凝視した。
その私の様子に昴さんは不思議に思ったのか、覗き込んだ。
「これ、日本酒ですか!?」
「はい。」
「ま、まずいです!私、日本酒だけはダメなんです!か、かえる!帰ります!」