第15章 お酒
待ち合わせは前偶然会った駅前。
今日は雨は降っていない。
デートか…
向こうはそうは思ってないかもしれないのに。
『君に興味があるーー』
思い出してドクンと心臓が高鳴った。
興味…興味。興味?
深く考えていなかったが、興味ってなんだ。
好意があるとは違うのか、もっと知りたいってことなのか。
これがもし昴さんがコナンの世界の登場人物なのだとしたら、私を探ろうとかしてるのかなって思うけど、昴さんは登場人物じゃないだろうし!ただパーティー会場にいただけの男性だもの!
ほんのすこーしデートを意識した服装にしておいた。さすがにジーパンにニットだけだと相手に失礼かもって思って。
駅前の人通りが多いところに行くので、メガネはつけてベレー帽も被った。
「こんばんは。お待たせしました。」
「時間通りですよ。めぐみさん。」
壁にもたれて立つ昴さんは背が高くて本当に目立つ。
お酒を飲みにと言うことだったので、夜9時に集合だった。
昴さんは夜型なんだな…。
明日朝からポアロじゃなくてよかった。
「少し言ったところに行きつけのバーがあるのですが。」
…バー。
どうしよう、こんなタイミングよく黒の組織が来るとは思えないけれど、万が一…億が一、組織の仲間とか裏の社会の人たちがいたりしたら、この5年が無駄になってしまう。
「大衆居酒屋みたいなところが…好きです。落ち着くし…ダメですか?」
「ふっ、かまいませんよ。」
「あ、今お子様だなって笑いました?」
「まさか。まだ警戒されてるのかと思いまして。」
私達は駅近くの居酒屋に向かった。
ここら辺ならたくさんあるから目に入った少しモダンな雰囲気のあるお店に入ることになった。
「ここには来たことがあるんですか?」
「はじめてです!綺麗なお店」
「やっと笑ってくれましたね。」
「…え?私笑ってませんでした?」
「ええ、あのダンスの時以来。」
「緊張…してるのかな。」
通された席はカウンター席だった。
体の大きな昴さんだと、肩があたりそうだ。
「お酒はよく飲まれますか?」
「全然。弱いわけではないけど、強くもないです。昴さんは?」
「嗜む程度ですよ。」
嗜むってどのくらいのことを指すのか定かではないが、バーを行きつけにしてるあたり強いのだろう。