第140章 I will.
私は足元の鞄に手を入れた。
「ねぇ、待って?」
「ん?」
「私達、考えること一緒かもしれない。」
鞄から取り出したのは小さな箱。
今回のことがあって、シャワーを浴びに行った時、近くのお店で買って来たのだ。
「私が異世界に行っちゃう時はここまで考えなかったんだけど、いざ降谷さんがもしかしたら私の前から居なくなるかもって思ったら、居ても立っても居られなくて。」
箱を開け私も指輪を取り出した。
シルバーに輝く男性用の指輪。
「まさか、めぐみが用意してるなんて。」
くくくっと笑う降谷さんの左手を持ち上げた。
「降谷零さん。私と結婚してください。」
「あはっ!男前すぎるだろ!」
「もー、真面目にしてるのに。…あれ。ぶかぶか。」
意外とガタイがいい降谷さんだから考えたワンサイズ上の指輪を買ったのは失敗だったかもしれない。
「なんだ、触ったらサイズくらいわかるだろ。僕が選んだ指輪はピッタリだったろう?」
「触ってわかる人なんて普通いないよ。…仕方ない。人差し指にでも入れとこ。」
「雰囲気ぶち壊しだな。」
「うるさいっ。」
「…ありがとう。めぐみ。」
「こちらこそ、ありがとう。降谷さん。」
降谷さんは人差しに輝く指輪を夜空に掲げ、微笑むと私をもう一度抱きしめた。
「誓いの言葉の証人はコナンくんでいいかな。」
「…へ?」
「…バレてたのかよ。」
「覗きは感心しないな。」
エレベーターがある方の壁からひょこっと顔を出したのはコナンくん。
ーー…一体いつから見ていたんだろうか。
誓いの言葉の証人ってことは、結構前から居たんだろう。
こちらに歩いてくるコナンくんは服もすごい汚れているようだが、怪我はなさそうで安心した。