第140章 I will.
エレベーターに乗り込み、降谷さんはズルズルと座り込んだ。
「大丈夫…な訳なよね。鞄に簡単な救急セット持って来たから。」
「用意がいいな。」
「この鞄には常に入ってるの。降谷さんのためにね。」
「…ふふ。流石だな。」
はぁはぁと、すこし呼吸を乱しながら降谷さんは笑った。
私はハンカチで彼の顔の血を拭った。
そして、鞄に入れた銃を降谷さんに返すと、降谷さんはそれを腰にしまった。
「しかし、銃で撃つんじゃなくて投げるとはな。」
「…だって。」
「助かった。ありがとう。」
エレベーターが到着して私達は屋上に向かった。
段差のところに降谷さんを座らせると、とりあえず傷を消毒して行った。
「犯人は逮捕できたんだよね?」
「あぁ、さっきの女がプラーミャだ。爆弾の場所はわかった。手筈通りあとはコナンくんに任せるしかない。…僕はみんなの前には出られないからね。」
降谷さんは立ち上がり、ガラス張りの柵の方に向かい、下から渋谷を見下ろした。
大きなサッカーボールのようなものがスクランブル交差点に広がっている。
…あれはもうサッカーボールと言っていいのかわからないけれど。
「液さえ食い止めればあとは風見とローラ、公安の出番だ。」
「…中和剤ってやつ?」
「あぁ。」
私は下を見下ろす降谷さんの真横に立った。
「まさかヘリコプターと一緒に落ちてくるとは思わなかったよ。火の中で横たわる貴方を見て生きた心地がしなかった。」
「それは僕のセリフだ。いつ爆発するかわからないって言ってるのに離れないし、防護服は脱ぎ捨てるし、銃は投げつけるし…。」
降谷さんは私に手を伸ばした。
「めぐみ…。」
「…本当にお疲れ様でした。降谷さん。」
降谷さんはにこりと笑って両手で私の手を握った。