第140章 I will.
燃え上がる渋谷駅前。
火花に気をつけながら私は周りを見渡した。
「…どこ。」
ヘリコプターからぶら下がる男性は確かに緑のジャケットを着た、金髪の男性に見えた。
火の中、尖った棒を持ち立ち尽くす髪の長い女性。
その向こうには傷だらけで横たわる降谷さん。
「…っ!」
「降谷ァァァァァ!!」
女は棒を振り上げ降谷さんに向かって駆け出した。
「だめぇぇ!」
私は咄嗟に持っていた銃を思いっきりその女に向かって投げつけた。
女の右肩に当たった銃は虚しい音を立てて地面に落ちた。
ギロリと睨まれ、私はびびって立ち尽くしてしまった。
しかし、女はそのまま膝から崩れ落ちて行った。
背の大きな男性が何かをしたのだろう。
後ろにいた大きな男性が気を失った彼女を抱き抱えた。
白い新郎の服を着ている。
「君は彼の知り合いか。」
「え…。」
話しかけられたが、この人が誰なのかわからないし、公安である降谷さんをなんて言ったらいいのかわからなくて、私が口籠もっていると、降谷さんが頷いた。
「知り合いです。」
「なら君は早くここから彼女と離れなさい。公安だろう。」
「…何故それを。」
「刑事の勘だ。」
この人は刑事だったのか。
刑事さんは女を抱いたまま私の方を見た。
「そこの君。銃を投げつけるのは暴発の恐れがあるからあまりおすすめしない。が、助かった。彼を支えてくれるか。足をやられてる。」
「は、はいっ!」
下に落ちた銃を拾い上げ、私は降谷さんに手を伸ばした。
頭から血を流し、服は破れ、傷だらけだ。
ヨロヨロと立ち上がり肩に手を回させ、ゆっくりと歩いた。
「このビルの屋上に。…迎えがくる手筈だ。」
「わかった。もう少し頑張って。」
足を引き摺りながらゆっくり歩く降谷さんを私は必死で支えた。