第140章 I will.
私は渋谷の街の真ん中で、空を見上げていた。
ハロウィンの賑やかな街の中。
人々は仮装して、街は色とりどりに飾り付けをされ、私の心の中とは正反対だった。
しばらく空を見上げていると、遠くからヘリコプターがビルの屋上に着陸するのがわかった。
「…あそこに降谷さんがいるのかな。」
ポツリと呟き、ビルを見上げ、私は祈り続けた。
ドォォーン
という、大きな花火が上がり、私は心臓を鷲掴みされた感覚だった。
あれはきっとコナンくんだろう。
ヘリは無事だろうか。
ビルよりももっともっと高くだからきっとまだ平気ーー…。
「…降谷さん。」
手を合わせ、口の前で組み、目を固く閉じた。
降谷さんが失敗するということは、ここも爆発するということ。
「…死ぬ時は一緒。ーーーだよね?」
遠くでプロペラの音がして、私は見上げた。
カシャン!!
近くで何かが落ちる音がして私はそちらを見た。
さっきの花火の音で人々はどんどん走って避難し始めている中、ポツンと落ちる拳銃。
私は走ってそれを拾い上げた。
「ーー…これ、降谷さんのだ。」
部屋の中で構えたこともあるし、車の中から一度だけ撃ったこともある。
『…普通の警官はこれを使っていない。使いやすいやつを僕だけ特別に使わせてもらってる。』
うん。これはやっぱり降谷さんの銃。
「なんでここに落ちてくるの?」
ぎゅっと銃を握りしめて私は空を見上げた。
くるくると旋回しながらゆっくり落ちてくるヘリコプター。
ビルにぶつかり、煙を出し、火花を出しながら…。
「ま、まさか…っ」
あの中にいるというのだろうか。
私はヘリの行方を目で追った。
ぶらりとぶら下がる一人の男性。
「…降谷さんっ!!!!」
渋谷駅の目の前で、火を噴いてヘリコプターは墜落して行った。