第138章 In sickness and in health,
ポアロの前に停まったセダンに私は素早く乗り込んだ。
「…すみません、めぐみさん。」
「っ!か、風見さん!怪我を…っ!」
「自分は平気です。大したことありません。」
頭や腕など包帯だらけだった。
ーー『自分は』平気?じゃあ…彼は?
「……降谷さんに何かあったんですか?」
「…。」
風見さんは返事をする代わりにふぅぅっとゆくっり息を吐いた。
「…まさかもう話せない状態とか?」
「いえ、そこまでではありません。会うことも可能と言えば可能です。」
1番聞きたかったことを聞け、そこは安心した。
あれだけ危険な仕事をしてるんだ、何があっても冷静でいなきゃとは思っていても、やっぱり安否は心配していた。
「めぐみさんは、降谷さんから同期の話を聞いたことは?」
「少しだけなら。」
「爆破事件は?」
車を走らせながら風見さんはゆっくりと話をしてくれた。
「同期の方二人、爆発で殉職されたと。」
「その犯人はすでに数ヶ月前に逮捕されました。」
「…そうなんですね。」
…同一犯だったということは初めて聞いたのだが、私はそこには触れなかった。
「しかし、その犯人が逃走しました。」
「えっ!?」
「その犯人が逃走し、匿名のタレ込みでその犯人が現れる場所の情報を我々公安が入手。降谷さんと二人その場所に向かいました。」
「…はい。」
「…結果を言うと罠でした。」
「…わな?」
「降谷さんを誘い出すための。」
私はごくりと唾を飲んだ。
「同期を殺した男を使えば、降谷さんがくると思ったのでしょう。その男は我々の目の前で爆弾をつけられ爆破。」
「…っ!?」
淡々と話しているが、内容はすごいことだ。
目の前で爆破っ!?
風見さんが大怪我をしているのはそのせいなのか…。
でも、降谷さんは連絡もできず、私には伝えるなって…。
「ふっ、降谷さんは!?ーーあの人は!?」
「案内します。公安が所有する地下シェルターに。ここから先は絶対に場所等、他言無用でお願いします。」
車を降り、風見さんは私の助手席のドアを開けた。