第138章 In sickness and in health,
その日の夜、一本の電話が入った。
一人でポアロを閉め、シフト表を作っている時だった。
「風見さんだ。」
登録せずとももう覚えてる番号。
たまに降谷さんがあまりに忙しいときは、風見さんが代わりに電話をかけてくる時があったから、珍しいことではなかった。
また日本救うため、もしかしたら戦ってるのかも。
そう思って、私は電話に出た。
「はい。」
「ーめぐみさん。」
風見さんの声はすごく落ち着いていて、真剣だった。
いつもみたいに、仕事終わらないから帰れないとか、シフトの調節お願いします。みたいな感じではないことはすぐにわかった。
「降谷さんはしばらく帰れそうにありません。」
「……怪我を?」
「いえ、そういうわけでは。…ポアロにもこちらから連絡するまでお休みをいただきたいです。」
「…それは構いませんが、私に電話できないくらい忙しいんですか?」
「………。」
私の質問に答えることなく、しばらく風見さんは黙ったままだった。
「…?」
「降谷さんには貴方に伝えるな、言われたのですが…。」
「…何かあったんですか?」
「今から迎えに行ってもよろしいですか?」
「…え?は、はい。」
急に心臓がドキドキとし始めた。
電話を切り、色々考えてしまった。
ーー…やっぱり怪我を?
ーー…私に言えない理由は、心配するから?
ーー…何か、降谷さんの身に起きたんじゃっ!
ぎゅっと携帯を握りしめて、深呼吸を繰り返した。
「…しっかりしなきゃ。」
どこにいるのかわからない風見さんがいつ頃ここに到着するのかわからない。
私はパソコンを切ると、急いで帰る支度を始めた。