第14章 ほらね!
取り上げられた携帯も戻ってきて、私は念のために乗せられた救急車の中で毛布にくるまりながら梓さんに電話をかけた。
ものすごく心配された。
助かったことを泣きながら喜んでくれた。
ポアロのことは気にせず、ゆっくり休んでいいと言ってくれた。
優しい声かけに今までのことがばーーっと思い出されて、私はぼろぼろと涙を流した。
電話を切ってもそれは止まらなくて、近くにいたコナンくんが気まずそうに私の横に座ってくれていた。
「コナンくん…本当に助けてくれてありがとう。」
「僕は安室さんを連れてきただけだよ。」
本当はボールを蹴って扉壊してくれたくせに。
私は胸に込み上げる感謝の気持ちを伝えたくて、ぎゅーーーっとコナンくんを抱きしめた。
「めぐみさんっ!」
「ありがとう…」
ぼろぼろと泣く私の姿をみて、コナンくんは私の腕の中でじっとしててくれた。
「めぐみさんは安室さんのことどう思ってるの?」
「…へ?」
泣き止んで、私はポアロに向かって歩いていた。
コナンくんも一緒だ。
事情聴取は後日になり、帰宅許可がでたのだが、私の荷物はポアロのロッカーに入ったままだし、コナンくんも送り届けたい。
そんな時に急にコナンくんが聞いてきた。
「あの安室さんがすごく急いでた。すごい必死に。もしかしてめぐみさんと安室さんって恋人同士?」
「まさかっ!」
「じゃあ……仲間…とか?」
探るようにコナンくんは下から私の目を見てきた。
「仲間?うーん…バイト仲間って意味では仲間なのかな…友達…うーん…わかんない。」
「そっか。」
「安室さんは私じゃなくてもいつも必死だよ。コナンくんがあのレシートの暗号を大尉に渡した時も急いでバイトを早退して走って行ったって梓さんから聞いたよ。」
「え!?めぐみさんそのこと知ってたの?」
「うん、早退あると私に連絡くるから。」
「あー、そっか。」
「ね?安室さんは誰かのためにいつも必死で一生懸命だよ。すごいよね。」
「…でも、悪い人かもしれない…」
「悪い…?」
ニヤリと笑うあの顔が思い出された。
いつものあの意地悪な顔だ。
つい私はふふっと笑ってしまった。
「それでも、今回の私にとってのヒーローはコナンくんと安室さんだよ。」