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そんなの知らないっ!【DC/降谷中心】R18

第14章 ほらね!


次の日。ポアロはおやすみになった。

マスターが私に気を遣ってくれたようだった。
梓さんも結構精神的につらかったみたいで、さっきも私のことを気にして電話をかけてきてくれた。



わたしは家にいてもやることもないし、つい足はポアロに向いていた。
掃除をしたり、足りないものを補充したり、メニューのデザインして考えたり…。
あたまや手を動かしていないと昨日のことを考えてしまいそうで、一心不乱に作業を続けた。
響く銃声、男性の断末魔。そして生温かい血ーー…


ぎゅっと目を閉じてる頭を振った。


ブー

パソコンの机に置いていたスマホが震えた。
安室さんだ。

『今どこですか』
淡々と必要な言葉だけ。
『ポアロにいます。』
私も一言だけ返した。




しばらくすると低いエンジン音が響いた。
ポアロは今日は静かだからここからでも良く聞こえる。


ガチャリと鍵を開けて入ってきたのはもちろん安室さん。


「こんな日までポアロですか?」
「はは。」

昨日のスーツ姿とは違ってジーパンにニットとラフな格好だ。

「…頬の傷、何もしてないじゃないですか。」
「あー、擦りむいただけだから…」
「僕にあれだけ言うくせに。ほら、こっち座ってください。今日は僕の番です。」


私をソファに座らせると、安室さんは私のパソコンの椅子をコロコロ転がしてきて向き合うように座った。

私がいつも閉まってる救急箱の場所見て覚えていたようで、それを出してきてごそごそと漁り始めた。


「消毒液目に染みるかもしれないので、目を閉じててください。」
「…!」

目を閉じて顔を向けるなんて、恥ずかしい。
「あの、自分で…」
「目を閉じて。」
「はい。」

そっとメガネを外された。
心臓の音だけが聞こえる。


ひやっと頬に液が付けられた。

紙がなにやらカサカサ聞こえてきて、ほっぺにべたりと貼られた。
「高級な絆創膏貼っておきました。」
「ありがとうございます。」
ゆっくり目を開けると、目の前には安室さん。
すこし切なそうな顔で私の傷を撫でた。


「怪我をする前に助けたかった…。」

「死ぬ前に助けてくれました。ありがとうございます。本当に…本当にありがとう。」

私は安室さんの指先を優しく握りしめた。
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