第137章 For richer or for poorer,
コナンくんをアパートに案内するとキョロキョロと外観を観察し始めた。
「な、なんかある?」
監視カメラや盗聴器でも仕掛けられてるんだろうか。
小さな名探偵が真剣な顔で観察していると、どうしても何かあるんじゃないかと勘繰ってしまった。
「何もないよ。ただ、ちゃんとしてるって思っただけ。前のは…ほら部屋じゃなかったじゃん。」
「一応部屋だよ…」
「監獄みたいなね。」
…監獄て。
私は鍵を開けコナンくんを中に招き入れた。
「お邪魔しまーす。」
靴を脱いでトタトタと入っていく少年は、終始周りを気にしている。
観察するのはもう彼の性分なんだろう。
「ここって安室さんも住んでるの?」
「ん?何で?」
「コップも歯ブラシも全部二組ずつあるからさ。」
ーーもう見つけたのか
「たまにね。安室さんにもちゃんと部屋はあるからほとんどそっちに帰ってるはずだよ。」
「ふーん。」
「昨日来たから、今日はどうだろ。多分お仕事してると思う。」
私はキッチンに向かって昨日食べたカレーに火をつけた。
コナンくんにも手伝ってもらって、お皿を並べたりサラダを盛り付けたりした。
「そういえば、刑事さん二人、結婚するんだってね。」
「あぁ、安室さんに聞いたの?」
「うん。」
「急に決まったみたいだよ。急すぎる気もするけど…。あの二人だからな。」
安室さん特製の本格カレーはコナンくんには少し辛かったのか、ハフハフとしながら、ゆっくり食べていた。
「どんな感じだったかまた教えてね。」
「うん、蘭も今日そのパーティードレスとかを園子と買いに行ってるみてぇだし。」
「そうなんだ。蘭ちゃんも可愛いだろうなー。」
「…そうだな。」
ぽっと顔を赤らめるコナンくんが可愛くて、ふふっと笑ってしまった。
「いま、パーティードレスじゃなくて花嫁衣装想像したでしょ。」
「バーロー!してねぇよ!」
バーローって本当に言うんだと、思いながら私は咳き込むコナンくんに水を差し出した。