第136章 For better or for worse,
「これは?」
「買い物してて一目惚れしたの。プレゼントなんて初めてで…緊張しちゃう。」
私の手から箱を受け取り、包装紙を開け始めた。
長方形の小さな箱からは、ネクタイピン。
「……。」
じっと手元のネクタイピンを見つめている降谷さんの反応が気になって、おどおどとしていると、箱から取り出して指先で持ってじっくりと見始めた。
「そ、そんないいものじゃないよ!通り際に見つけたやつだし…その端についたブルーの石が綺麗で…。」
まるで降谷さんの瞳の色に見えてーー…。
「ありがとう。使うよ。」
「ほんと?」
「こんな贈り物は僕も初めてだ。」
「そうなの?」
「…正直どんな顔していいのかわからない。嬉しいよ。」
小さな青い石を優しく撫でて、降谷さんは再びネクタイピンを箱に戻した。
照れ臭くて、私は顔を隠すようにカフェオレに口をつけた。
「何かいつかプレゼントしたいなって思ってたんだ、いつもありがとうね。この世界に私の居場所を作ってくれて…本当にありがとう。」
早口でそう捲し立てると降谷さんは笑いながら立ちあがり、私の横に立つと私の手を引いて私を立ち上がらせた。
「抱きしめたい。」
「…っ。」
「素敵な贈り物をありがとう。」
ぎゅーーーっと力いっぱい抱きしめられ、息苦しさ感じつつ私も降谷さんの背中に手を回した。
「めぐみ?」
「ん?」
「ネクタイピンを贈る意味、知ってる?」
「…へ?意味?」
「指輪を薬指に送るにも意味があるだろう?同じ様にネクタイピンにも意味がある。」
「えっ!」
「首につけるネクタイへのアクセサリー。『君に首ったけ』縛り付けてあなたを離さない。」
「…うっそ!」
「僕に首ったけのめぐみ。ありがとう。」
そんな意味があったなんて、そんなの知らないっ!!