第136章 For better or for worse,
食べたケーキのお皿やコップをキッチンで片付けていると、寝る準備をしていた降谷さんが私の近くに来た。
「そういえば、めぐみは佐藤刑事や高木刑事を知ってるんだっけ?」
「うん、知ってるよ。ちゃんとお話ししたことはないけど、コナンくんと話してるのを横で見たり、たまにポアロでも食べたりしてたよ。」
「その二人が今度結婚式を挙げるそうだよ。」
「えっ!?」
「僕もコナンくんから今日聞いたんだけどね。コナンくんたち招待されたみたいだ。」
「あの二人結婚するんだー!すごーい!」
洗い物が終わって手を拭きながら私が降谷さんの方に振り向くと降谷さんが急に抱きしめてきたので、驚いて胸を少し押し返してしまった。
「めぐみの花嫁姿も綺麗なんだろうな。」
「佐藤刑事すっごい美人だもんね。高木刑事の緊張する姿が想像できちゃう。降谷さんも緊張する?」
すりっと降谷さんの胸に頬を寄せながら尋ねると、ふふっと降谷さんが笑った。
「どうだろ。めぐみを目の前にすると固まってしまうかもな。」
「それは想像できないなー。」
「…式は挙げられないけど。」
公安のゼロだもの。
ちゃんとわかってる。
少し申し訳なさそうに眉を下げる降谷さんに向かって私は微笑んだ。
「もう妻なんでしょ?紙面上は。」
「…ごめんな。」
「幸せだよ。じゅーぶんです。」
本当に気にしていない。
降谷として結婚式を挙げる、なんてそんなことできないのはわかってる。
「まぁ、強いて言うなら…。」
「ん、いいよ。言ってみて。」
「降谷さんの白いタキシードは見たいかな。」
「…はは。めぐみらしいな。そうだな。今度二人で服だけでも着てみようか。写真も…まぁデータで少しだけ残すくらいなら。」
「無理しなくていいよ。出来ることだけで私は本当に充分なの。でも、ありがとう。」
降谷さんの頬に手を伸ばし、私はちゅっと軽く頬にキスをした。