第1章 【シンデレラの憂鬱】
そんなある日のこと。
「パーティー?」
4人で来るよう指示があったと執事から告げられた。
用意されていた4人分の衣装。
初めて見るパーティー衣装に心が躍った。
何より、が着るドレス。
優しい彼女にピッタリの、ふんわりしたイメージのドレス。
これを着た彼女と一緒に行けるなんて…。
「あ、ごめ~ん。汚しちゃった♪」
祐也の声に驚いて振り返ると、そこには灰を掛けられた、見るも無残なオレのタキシード。
出発まであと30分。
洗うにしても時間がないし、貴久や祐也と違って、他に着て行けるものがある訳でもない。
「祐也!」
声を荒げた。
だけど祐也は悪びれもせず、テゴペロ♪と謎の発言。
「シンデレラって灰被りっていう意味なんでしょ?お似合いだよ。残念だけど、お留守番だね★」
ニッコリ悪魔の微笑みを浮かべた貴久。
てめぇら、覚えとけよ?
シンデレラなんだから、ここで魔法使いが出て来るに決まってんだから。
あとで足が恐竜になったって、泣くんじゃねぇぞ!
そう心の中で叫びながら、オレを心配するを無理矢理連れてパーティーへ向かう貴久と祐也の後姿を見送るのだった。