第2章 【Sleeping beuatyと白い天使】
「うまっ!これどこ産?」
「アホか!」
ついつい出てしまった大阪弁。
こいつらにやらせると、物語が一向に進まないもんで…。
「え、マジで?オレも食べていい?」
6体の人形を地面に置くと、小山が祐也のカゴに手を突っ込んだ。
いやいや、ここで小人まで毒リンゴって!
お願いだから、真面目に進行してくれ。
問答無用でかぶりついた貴久と違い、小山は一旦服の袖でリンゴの皮を拭いた。
「いや、農薬とか付いてるかもしんないから…。」
突然リアル設定に戻るのやめろって。
そもそも、農薬の前に毒に注意しろってんだ。
キュッキュッといい音をさせた小山が、リンゴをかじろうとしたその瞬間。
目を見開いた貴久が、バッタリと後ろに倒れた。
貴久がどこも打たずに済んだのは、下敷きになった小山人形達のおかげであることを、ここで説明しておこう。
「どうしたの、白雪姫!」
かじりかけたリンゴを放り投げ、大慌てで貴久に駆け寄る小山。
王子だっつの…と呟いた貴久を完全無視し、肩を掴んで大きく揺する。
「起きて!起きてよ!白雪姫!」
え~ん、え~んと泣き真似をする小山。
姫を王子に訂正するほどの余力は、どうやらないらしい。
「これでオレが世界一♪」
ご機嫌な祐也は、スキップしながら帰って行くのだった…。