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【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】

第3章 日向翔陽と飴玉


 つまり、それはキスをする事ではないかと、日向は驚き言葉が全て出なかった。
 けれど老婆は日向の初々しさ等関係無いと、話をどんどん進めていってしまう。

「口渡ししたら想い人の口内で飴を舐め合うんだよ。自分の舌の上で転がし、想い人の舌の上で転がせる。そうして口中に飴の味が広がりきったら、口を外して想い人の好きな所を口にするんだ」
「す、好きな所……」

 ゴクリ、と生唾を飲む日向に老婆は話を続ける。

​「好きな所を伝えたらまた口付け合い飴を舐める。そしてまた好きな所を伝える。それを五回繰り返したら飴が無くなるまで舐めな。舐め終わった後に自分の名前を呼ばせてごらん。普段と違う呼び方をしたら、想い人はアンタに惚れた証拠だよ」
「ほ、惚れ……」

​ 彼女が自分に惚れたりしたら、と考えただけて掌が汗でぐっしょりとしてしまう。
 しかし、ふと日向は疑問に思った。

「で、でも……何で飴を舐めて好きな所を伝えただけで、惚れられるん……ですか?」

 日向が尋ねると老婆はあっさりと答えた。

「それはこれが悪魔の惚れ薬だからさ」
「ほっ惚れ薬っ !? 」

 そんなモノが本当に存在するのか、と言うか惚れ薬じゃ……。

「そそそそんな彼女の気持ちを無視する様なモノっ……」
「結ばれたくないのかい?」
「っ!」

 見上げて尋ねてくる老婆に声が詰まる。だれだって好きな人と結ばれたいに決まっている。
 でも惚れ薬、なんて相手の意志を無視する様なモノを使うなんて……、と戸惑わずにいられない。

「まぁ、使うも捨てるもアンタの自由にするといいよ」

 そう言って日向の手に無理矢理飴玉を押し付けてくるので、日向は受け取ってしまったと慌てる。
 もう自分の手の中に悪魔の惚れ薬がある。どうしようと困惑していると、老婆は思い出した様に言う。

​「あぁ、そうだった。紫色の飴の方の説明を忘れていたね。そっちの飴は……」

 続けて飴玉の説明をした老婆に、日向はゴクッと生唾を飲まずにはいられないのだった。





「…………」

 日向は自室の机の上に伏せりながら、転がる二つの飴玉を見ていた。
 これを使ったら彼女と恋人になれる。日向の事を好きだと言ってくれる様になる。
 でも、それは惚れ薬の効力であり、彼女の本心ではない。
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