【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第3章 日向翔陽と飴玉
綺麗な髪に触れ、絹の様な頬に触れる。あの赤い唇に唇を重ね合い、そして……。
「……ちょっと落ち着こう」
妄想で股間がムズムズしてしまい、日向は前屈みになりながら、適当な裏道に入った。
落ち着け落ち着け、と何度も深呼吸をして自身の昂りを落ち着かせていた所。
誰も居なかった事は道に入った時に見ていた。少し薄暗く、ちょっと怖いと思った位である。そんな場所だからきっと昂りを落ち着かせられると思い、自転車を止めて深呼吸をしていたのだ。
そうしていたら、急に生温い風が吹いて誰かの気配を感じた。
「お兄さん。アンタ、恋をしているだろう?」
突然背後から尋ねる声。それは嗄れた老婆の声で、日向は全身に鳥肌が立つのと同時に軽く悲鳴を上げてしまった。
「ヒィッ !? 」
驚きながら振り返ると、やはり老婆が一人いつの間にか立っていた。
心臓が飛び出る程の驚きに冷や汗をかいていると、老婆は同じ事を繰り返す。
「アンタ、恋をしているだろう?」
恋、と言われて脳裏に浮かんだのは彼女の笑顔。
ボン!と顔を赤くして答えられずにいると、老婆は笑いながら着物の袖口に手を入れて何かを取り出そうとしていた。
「こっ恋って!」
裏返る声でやっと答えていると、老婆は日向にすっと手を差し出してきた。
皺まみれの掌に乗るのは、二つの透明な包み紙に包まれた飴玉。
濃いピンク色の飴玉と紫色の飴玉。
「……飴?」
何故恋をしている、と言われて飴を出されたのかと日向は見入っていると、老婆は言う。
「これは欲望を叶える魅惑の飴。アンタ、想い人と結ばれたくないかい?」
その言葉に日向は彼女と恋人同士になれた姿を想像してしまった。
指を絡ませ合いながら手を繋いでデートをして、キスをする。そして、ベッドの上に彼女を押し倒して……。
「正直な子だ。顔に全部出てるね」
「 !! 」
如何わしい妄想をしていた事を言い当てられ、真っ赤になって言い返せずにいると、老婆は飴玉を触りながら説明をしてきた。
「想い人と結ばれたかったら、最初はこのピンクの飴から使うんだよ。二人っきりの場所で口に含んで、想い人に口渡しするんだよ」
「くちわっ !? 」