【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第6章 角名倫太郎と飴玉
角名は校内の構造を思い出していくと、この先には使われていない倉庫的な空き教室がある事を思い出した。
夕方で人も少ないし、部室として使われている教室も近くにはないので、そこにするかと歩みを早くした。
「この先に空き教室あったし、そこにするか」
「うっ……うん」
他人がイチャイチャしていたのを見ただけでこんな風になっていて、それでよく侑に告白したいと思っているな、と角名は思った。
カップルと言うのは他人から見たらああ映るのに、と。
ガラッとドアを開けるとやっぱり使われていないから誰もいなく、少し埃っぽいなと角名は窓を開けて換気をする。
彼女はテーブルの上に綺麗にラッピングされている物を置いた。
見た所、ガトーショコラである。が、問題はそこではない。
今まではタッパーだったのに、今日はラッピングされているのだ。
ラッピングされているのを見ると本当にプレゼントにしか見えない。
「し、試食お願いしますっ」
何時もよりも緊張している姿が気になりつつ、リボンを解いて中身を取り出して一口食べた。
少し苦味もあり、大人向けの味付けをしていると思いながら角名は全て食べ切って、感想を告げる。
「変に甘くなくて苦味もあってくどくなかった。食べやすいと思う」
ありのままの感想を告げると彼女は嬉しそうな表情で、言ってきたのだった。
「ほ、本当っ?良かった……明日渡せそう」
彼女の言葉に耳を疑った。
何時も渡せない渡せない、と首を振っていた彼女が、侑に渡すと言っているのだ。
「……渡すの?」
信じられない、と言った声色で尋ねると、彼女は耳まで真っ赤にしながら答えた。
「う、うんっ……角名くんにはずっと付き合ってもらっちゃってたけど……何時までも角名くんの好意に甘えてる訳にもいかないもんっ……。だから、明日侑くんに渡すよっ」
精一杯の彼女の主張。最初だったら本気で背中を押して応援しただろう。
でも今はもうその背中を押す事は出来ない。
角名は瞬時にポケットに手を突っ込み飴玉を掴んだ。掴んだ飴玉の色がピンク色なのを確認すると、素早く口の中に含んだ。
「角名くんは一番話聞いてくれてて、付き合ってくれたから……応援してくれると嬉しいな」
恥ずかしそうにそう告げた彼女に対して、角名は答えた。