【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第5章 木兎光太郎と飴玉
赤葦京治に浮いた話は聞いていなかったし、本人も彼女はいない、と言っていた。言っていた筈なのに、彼女と仲良く歩いていた事実に木兎が黙っている訳がなかった。
赤葦と彼女が別れた瞬間に、木兎は物陰から飛び出した。
「わっ、木兎さん何しているんですか?新手の嫌がらせだったら止めてもらっていいですか?」
「あかーし!どう言う事だぁっ!」
何故か怒っている木兎なのだが、赤葦は本当に思い当たる節が無いので首を傾げた。
その様子が木兎には『余裕あります』に見えたらしく、ビシッと指を指しながら言い放つ。
「お前は今日から俺の敵だっ!」
「話聞きますので、落ち着いて下さい。木兎さん」
赤葦の顔はまた木兎の面倒事に巻き込まれた、と言ったモノであった。
◆
木兎の主張を一通り聞いた赤葦は、木兎の事を本気で引いた顔でいた。
「何だよその顔っ!」
怒る木兎に赤葦は大きく溜息を付いてから答えた。
「いや、まさか話に聞いていた『上級生の先輩』が木兎さんであった事実に本気で引いています。木兎さん、人として神経疑いますよ」
「どう言う事だよっ」
ぷりぷり怒る木兎に赤葦は大きな溜息を付いてから、木兎の事を責め立てた。
「彼女は同じ委員会の子です!そんな彼女は『二ヶ月前から変な先輩に絡まれて困っている』と話をしていたんです!その先輩、が木兎さんだったんです!」
「俺の事、話してくれてたのかっ?」
彼女の話題に自分がいると木兎が喜ぶので、赤葦は酷い頭痛を感じながら、年上だろうが関係ないと木兎を叱る様に言い続ける。
「彼女の悩みは『知らない上級生が執拗く付きまとってくる』、『声を掛けられたかと思えばあからさまに身体を見られている』『三度に一度身体を揉ませてくれ』って言われてるって話してたんですよ!木兎さん何をやってるんですかっ!男バレ部活動自粛させたいんですかっ!」
マシンガントークの様に赤葦に叱られ、たじろんだが木兎は正直が自分だと思っているので必死に反論を試みた。
「俺は彼女の事が好きなの!顔も身体も性格も全部!」
「だからって常識を考えて下さい!ちゃんとしたお付き合いをしている男女ならばまだしも、向こうは!木兎さんの事を!知らない!他人なんですよ!木兎さんがしている事は変質者の痴漢です!」
「ぐっ !! 」