【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第5章 木兎光太郎と飴玉
意中の相手がいるけれど、自分の思いを素直に伝える事が出来なくて。
恋人未満であるのは当たり前だけれど、友達以上と言えるのかが分からない。
自分はこんなにも想っているのに、相手はきっと自分の事を『仲の良い友人』としてか見てくれない。
そんな感情しか持ってくれていない相手に告白をして、友人、と言う関係すら失うのが怖く、一歩先へ進む事が出来ない。
でも、その一歩先を自分の意のままに進める事が出来るとしたら?
自分の望むままに出来るとするならば?
「この飴を口の中に入れて意中の相手に口付ける。そして相手の口内で舐め合いつつ、相手の好きな所を五つ伝えてごらん。伝えて飴を食べきれば相手はお前に惚れてしまうから」
差し出された掌にある二つの飴。
悪魔の囁きを聞き入れてしまえば、甘い誘惑に堕ちていくだけである。
企画夢小説
キャラメル デェア ディアボロ
木兎光太郎と飴玉
「なーなー見てくれよ!エロ本拾った!」
「さいってい!」
スパーン、と打音が綺麗に鳴り響き彼女は怒りながら歩き去っていった。
顔を叩かれた木兎は頬を摩っていた。
「いってぇ〜〜何も殴らなくてもいいのにさ……」
綺麗にもみじ型の跡が付いたまま、木兎は歩いていた。
手に握るエロ本に目を落とし、ぺらっと中身を捲る。
裸の女性の写真が沢山あるのだけれど、求めているのは女優達ではない。
木兎が見たいと思っている裸の相手は、先程木兎を叩いて去ってしまった彼女。
セクハラ紛いな事をしてしまっている彼女こそが、木兎の想い人である。
彼女に対しては一目惚れ、である。
泣きぼくろがエロいと思ってしまうのと同時に、胸が大きかった彼女の見た目に一目惚れした。
それから何度も彼女を口説こうとしているのだけれど、毎回失敗している。
彼女の事を褒めようとする度に胸を見てしまい、酷い時はうっかり触りたいと口走る。
その度に怒らせ、叩かれ、の繰り返し。それでも木兎は根気よく彼女に声を掛け続けているのだった。
全ては彼女と恋人になりたいからである。
◆
「あっ」
木兎は放課後部活に向かう途中、彼女の事を見付けて嬉しくて声を掛けようとした。
が、その瞬間彼女の隣に赤葦が来て、二人仲良く話しながら歩いていくのを目撃してしまったのだ。