【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第5章 木兎光太郎と飴玉
赤葦に口で勝てなく口篭ると、赤葦は本気で木兎の事を汚いモノを見るかの様な軽蔑の眼差しを送りながらに言う。
「人としても男性としても女性に対して失礼千万です。反省して下さい」
◆
赤葦にみっちり叱られ、木兎はしょぼくれモード出歩いていた。
赤葦は恋をしていないから自分の気持ちを分かってくれないんだ。
好きな子がスタイル良ければねっとりとする視線で見ていたいし、触りたい気持ちが。
「はぁ〜…………」
木兎は道路の端にしゃがみ込むと、ブチブチと雑草を引き抜きながら、独り言を言い始めた。
「彼女の事が好きなんだよぉ〜〜。俺の彼女になって欲しいんだよぉ〜〜。触りたいぃ〜〜キスしたいぃ〜〜」
色欲の塊の言葉を紡いでいると、いつの間にか木兎の隣に男の子がいた。
木兎の真似をする様に雑草を抜いている少年は、ギリギリ小学生になった位の歳だろうか。
気配なく隣にいたのにちょっと驚いたけれど、そんな事よりも彼女への想いを口にする事の方が大切だった。
「会いたいぃ〜抱きしめたいぃ〜、おっぱい触りたいぃ〜」
そう言った所、男の子の雑草を抜く手が止まって口を開いたのだ。
「お兄ちゃん、好きなお姉ちゃんがいるの?」
尋ねられた木兎はブチブチと抜き続けながらに答える。
「そうなんだよぉ〜〜。お兄ちゃん、大好きな子がいるのに、俺の気持ち全然伝わってくれないし、後輩には怒られるし……俺は彼女の事が好きなだけなのに……」
口にすると改めて悲しくなってきて、しょんぼりと雑草を抜く力すら無くしてしまう。
そんな木兎の頭をぽんぽんと叩きながら、男の子は言う。
「つまり、お姉ちゃんがお兄ちゃんの事を好きになってくれればいいんだね?ぼく出来るよ」
ニコニコと笑顔で言い切った男の子に、木兎は細い声で尋ねた。
「ホントに?お姉ちゃんをお兄ちゃんに惚れさせてくれるの?出来るの?」
「うんっ!ぼく出来るよっ」
男の子はハッキリと言うと、スボンのポケットに手を突っ込むと男の子の手には大きい飴玉を二つ取り出したのだ。
「飴玉?おいしそーだなぁ」
「一人で食べちゃ駄目だよ!お姉ちゃんと一緒に食べてね!」
「一緒……?」
男の子の言葉に木兎のしょぼくれが消えていき、飴玉を食い入る様に見た。