【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第4章 岩泉一と飴玉
「普段だったら怒っちゃう所だけれど、恋するボウヤは可愛いから、特別に許してあげるわ」
「あ、……ありがとう……ございます」
美女の機嫌が良くて良かったとお礼の言葉を口にしていると、美女は己の唇に触れながら思い出したかの様に、上を見ながら言った。
「そうだわ。恋するボウヤにピッタリのイイ物を私持ってるのよね」
「イイ……物?」
首を傾げかける岩泉に、美女は持っていた小さな黒色ポーチから飴玉を二つ取り出したのだった。
「飴玉?」
好きな子にでもあげると良い、とでも言うのかと思うと、美女は飴玉二つを器用に指の間に挟んで言ったのだった。
「これは欲望を叶える魅惑の飴。好きな子の心、自分に虜にさせたくはない?」
「………………は?」
突然の言葉に岩泉の頭はフリーズした。
今、美女は何て言ってきた?彼女の心を自分の虜に?
「この飴玉を使えば、ボウヤが好きな女の子、ボウヤの事を好きになるわよ」
美女の説明に岩泉は混乱せずにいられない。
飴玉二つで彼女が自分の事を好きになる?そんな事ありえたら、そもそも自分は苦労していないのだから。
「い、いや……何を言って…………」
岩泉の言葉に美女はふふっと妖艶に笑いながら言うのだ。
「好きな子と結ばれたかったら、最初はこのピンクの飴から使うのよ。二人っきりの場所で口に含んで、好きな子に口渡しして与えなさい」
美女の言葉に、それは彼女とキスをしろ、と告げられていると理解した岩泉は、反射の様にすぐに答えた。
「はっ !? それってつまりアイツとキスしろって事じゃねぇかっ!」
そんな事出来る訳がないと言いたかったのだけれど、彼女とキスしたいと思ってしまって言葉が喉につまってしまった。
「口渡ししたら好きな子の口内で飴を舐め合うの。自分の舌の上で転がし、好きな子の舌の上で転がせて。そうして口中に飴の味が広がりきったら、口を外して好きな子の好きな所を口にしなさい」
「しなさい、って……」
そもそも口の中で飴玉を舐め合う、なんてディープキスである。普通のキスすらした事の無い相手にいきなりディープキスなど、無理があり過ぎる。