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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第39章 甘えさせ上手と言われたい ✳︎✳︎



「君が先程言った事を丁度俺も考えていた。七瀬と話す事も鍛錬をする事も好きだが、こうして互いに何も身に纏っていない姿で触れ合うのは…」

「んっ」

ちうちうと彼女の唇を二度程吸い、滑らかな頬を両手で包みこめばまた七瀬の顔に笑みが生まれる。

「やはりかけがえのない時間だ」

「ふふ、杏寿郎さんにそう思って貰えて本当に嬉しいです」

結合部に視線をやると、隙間なく密着した互いの体がそこにある。
今夜だけではなく、何度も何度も七瀬と体を重ねて来た。


「すまない、そろそろ動きたいのだが良いか?」

「…はい、あっん…」

一度下から突いてやると、すぐに甘い声を出す彼女が愛おしい。
そのまま動きを少しずつ強くしていくと、七瀬の口から溢れるのは俺を求めるしるしだ。

「はっ、七瀬…気持ち、いい…」

「きょうじゅ、さ…ん。わた、しもきも、ち…い、い」

パン、パン、パン、と小刻みに二人の体を打ちつけ合う。肌はもちろん汗も混ざるし、体液も混ざる。

激しい動きを続けていくと、下半身から熱い欲望が姿を表した。
ひときわ強く七瀬の奥をついた瞬間、ずるりと肉棒を抜く。

「…は、あ…!!」

先端から飛び出した白い欲を、恋人の腹部に複数回に分けて放った。彼女の顔の横に両手をついて、乱れた息を常中の呼吸へと戻す。

ふうふうと息をして行くと、 五分とかからない時間で普段の呼吸へ変わるのだが、今夜は彼女の中へ入っていた時間が長かった。

すぐに戻すのはもったいない。

そんな気持ちが胸の中に生まれた俺は、時間をかけて息を吸い、これ以上は吸えないとなった頃合いで息を吐き出していく。

七瀬との情交を少しでも長く感じたいのだ。
閉じていたまぶたを開けた先には、俺を見つめる潤んだ焦茶色の双眸があった。



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