第39章 甘えさせ上手と言われたい ✳︎✳︎

「七瀬」

「は、い…？ んっ」

繋がりを保ったまま、彼女の体を回すと互いの敏感な部分が擦れ合う。気持ち良さが加速していく中、七瀬の背中が目の前に現れた。

右上から左下に走る大きな傷痕を一度撫で、軽い口付けを落とした後に強めに吸い上げる。

胸につけた時と同様に二つの花を咲かせると、七瀬が「はあ」と艶を含んだ声を出した。

「気持ち良いか？」

「…はい。悔しいぐらいに」

ふう、と諦めたようなため息をこぼす七瀬の腹に両手を回すと俺の手の上から自分の手をあてる彼女だ。

「…杏寿郎さん」

「どうした？」

さらりとした手触りの髪から覗く小さな右耳をちうと吸い上げ、耳たぶを舌で丁寧に辿ってやると、結合部の力がきゅっと締まる。

「気持ち良すぎて…離れたくないです。凄く…困ってます」

「そうか」

俺はもっと困ってほしいがな。
口にすれば彼女が呆れるだろう言葉。今夜は少しそれを留めてみた。二人の間に流れる静かな時間は、鬼殺をする合間のほんのひとときだ。

「あ、いきなり…だ、め」

「もっと気持ちよくなりたいだろう？ であればこうせねば。俺は君のここが大層好みだからな」

腹にあてていた両手をすすと上に動かし、覆うのは椀の形にも似た二つの乳房だ。先端を触れる前からそこはかたく大きくなっており、七瀬の「気持ちよくなりたい」と言う合図でもある。

ぐっぐっと揉み込んでやると、また結合部からあたたかい物がとろとろと流れて来る。透明な液を数本の指で掬い取り、七瀬の乳輪に塗りつけてやった。

ピンと硬くなった乳首が潤いを増す。双方の尖りを愛液に馴染ませるように擦り合わせると、小さく体を震わす七瀬だ。