第11章 デート
「ルー様、片付けて参りました。」
あ、安定の敏腕小姑出現。
「そうか。では、名残惜しいがそろそろ戻るか。城下での食事も良いのだが、どうも私はカオリが発案した食事を気に入ってしまった。晩餐は城で取りたい。」
ルー様の赤面タイムは終わったらしい。少々、残念。でも、私も夕食はお城で食べたい。
お城に到着するなり、直ぐに夕食の時間となった。テーブルに並ぶのは、和食の定食セットだった。新しい煮物や天婦羅の数々は、料理人さんたちが頑張ってくれたおかげだ。
十分に堪能させて貰った夕食後、暫しの入浴タイム。今日は色々あったなぁと思い出しながら、広い浴場で癒される。
そう言えば、オリバー様が片付けたと言ったけれど、どんな風に片付けたのだろう?後で、ルー様に聞いてみよう。
入浴後、入れ替わりでルー様が浴室へと消えた。部屋でルー様を待つ間、バルコニーに出ては熱気を冷ます。暫し見晴らしのいい景色を見ていると、物音が聞こえ目を向けた。
茂みから出て来たのは・・・赤い色。私は後退り、部屋に駆け込み窓を閉めた。無意識だが体の震えが止まらない。
「カオリ?」
「る、ルー様!!」
その胸に飛び込めば、望んだ様に抱き締めてくれる。
「何かあったのか?」
「そ、外に・・・赤い色が・・・。」
「赤い・・・そうか。少し待っていてくれ。」
ルー様は怖気づくことなく、様子を伺っては直ぐに部屋に戻って来た。
「何もいなかった。だが、用心しよう。ほら、私が傍にいるから心配するな。」
「・・・今度は、ルー様を・・・ヤダ・・・。」
「落ち着け。」
「でも、またっ!!?」
ルー様は私を抱き締め、宥める様に私にキスした。
「落ち着いたか?」
「別の意味でドキドキしています。」
「そうか。ならば、もう少しそのドキドキを堪能してくれ。」
再び、重ねられた唇。が、途中で止まった。
「ルー様?」
あ、また顔が・・・赤い?
「すまない・・・私も普通の男だと再確認した。」
「・・・はい?」
「仕方ないだろう?私はカオリを愛しているのだから。」
ルー様の言葉の意味を理解すれば、私も負けずに真っ赤になってしまった。
「大丈夫だ。少しすれば落ち着く・・・と思う。今晩は、もう休もう。」
「そ、そうですね。」
あれだけ怖かった赤い色の事は頭から消え去って、私たちは早々に無理矢理眠った。