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私の異世界転生生活

第11章 デート


追われる様に帰国したあの二人は、王妃様の逆鱗に触れ・・・国交を断絶された。それほど、王妃様の怒りは凄まじいものだったらしい。

「嫁って言われたなぁ・・・好いてくれるのは嬉しいけど、本当に私でいいのかな?」
「いいに決まっているだろう?私の伴侶は、カオリ以外考えられない。」

私の手を取り、指先にキスを落とすルー様。こんな時も、無駄にイケメンである。

「でも、国交断絶って・・・。」
「それは、この国だけではないぞ?女神の代理人を使用人にしようとしたんだ。他国にもそれが知られて、距離を置かれているらしい。」

何それ・・・。

「あぁ、そう言えば・・・あの縁談、白紙になった。リンツ皇子からすれば、結果的に良かったのだろうな。誰も、あの国と仲良くしようとは思わないだろう。」
「そ、そうですか。」
「母上の怒りは、凄まじいものだったからな。父上ですら、逆らえなかった様だ。」

国王より強い王妃ってどうなの?

「父上は、アレでいて母上にベタ惚れだからな。それより、城下町に行ける算段が取れた。」
「本当ですか?」

初のルー様との城下町デートだ。そう思っていたのだけど・・・デートの前日の今日も連日の雨。明日の天気も妖しい。

そして、今日の連日の様に振り続く雨が明日も続けば、自ずとデートは延期だ。ひょっとして、誰かの陰謀っ!!?

明日は晴れます様にと祈ってみれば、辺り一面に轟く雷が落ちた。ひょっとして、神様がデートを阻止しようとしてる?


翌朝、目覚めた時にルー様はいなかった。そして、外が何やら騒がしい。少しして現れたメイドさんに事の次第を聞いて、目を丸くした私。

「昨晩の落雷が直撃して、賊を捕らえる事が出来たと?」
「左様でございます。」

身支度は出来たものの、さて、今回もお出掛けは・・・。折角、不浄を洗い流したかの様な青空なのに。恨めし気な目で空を見上げていると、オリバー様が来て私を連れだしてくれた。

どこへ向かっているのか分からないけれど、所々で文官や武官らしき人とすれ違う。その度にチラチラと視線を向けられるのが居心地悪く感じる。

そんな中、私たちの前に立ち塞がる武官らしき男性。オリバー様と視線だけで火花が散っているのではと思うほどの状況。始めて目にする人だ。

「女神の代理人とお見受けする。ご挨拶させて頂いても宜しいでしょうか?」
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