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【R18夢小説】手に入れたモノを護る為に【HQ/影山飛雄】

第10章 第六話 悪阻


 九月下旬。少しでも伊織が食べられそうな物を探して、毎日色々と物色している。
 肉類などは特に駄目らしく、ササミを茹でた物ですら匂いだけで吐かれてしまった。
 最近食べやすいのは果物類らしく、季節的に入手がしやすくて助かっていた。

「すりおろしりんご……食べられそうか?」

 自室でぐったりと横になっている伊織の元へ、すりおろした林檎が入った器を差し出してみる。
 匂いを少し嗅いで吐き気が来なかったらしく、伊織は弱々しくスプーンに掬って口に入れていた。

「少量でも良いから、栄養取ろう」
「……うん」

 答えてはくれたが、食はやはり進まないらしく、直ぐに食べるのを伊織は止めてしまった。

「……飛雄」
「大丈夫、ここに居る」

 腰元に抱き着いてきたので膝枕をしてやり、伊織が少しでも楽に慣れる様に、と背中を摩ってやる。
 母子共に栄養が必要なのに、それを摂取する事が出来ない。
 栄養ゼリーで何とか凌いでもらってはいるが、明らかに伊織は痩せてしまっていた。

(なんとか悪阻でも問題無く食べられる、高カロリー食品無いだろうか……)

 伊織の為に俺が出来る事は何だろうか、と常に悩んでいる。
 傍に居てやる事以外、俺に出来る事は少な過ぎた。
 春高予選も進む中、伊織への心配心が日に日に積もり溜まっていく。

「……飛雄、お風呂入りたい」

 小さく求められ、抱き抱えて伊織を脱衣場へ運ぶ。床に座らせて先に自分の服を全て脱ぎ、そして伊織の服も全て脱がせて互いに裸体になった。
 痩せても乳房の豊満さが失われなくて、安堵した自分が情けないと思った。
 しかし、伊織の女の身体が好きなのだから仕方ない。

「入るぞ」
「…………うん」

 再び抱き上げて浴室へ入り、湯船を溜めながら伊織の身体を綺麗に洗ってやる。
 まだ妊娠している事が分からない身体付きをしているのを、視姦する様に隅から隅まで見る。
 臍の下は膨らみがないし、乳首も変化なし。
 妊娠で伊織が苦しんでいるのを分かっているのに、早くその身体を妊婦である事が分かる姿に成長して欲しくて仕方ない。

「大丈夫か?気持ち悪くないか?」
「…………うん……お風呂気持ちいい……」

 身体を洗われる事で汗を流せる。今の伊織にはそれだけで、十分過ぎる程の気分転換になっている様だった。
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