【R18夢小説】手に入れたモノを護る為に【HQ/影山飛雄】
第10章 第六話 悪阻
ブツブツ呟いていると、ゼリーを飲み干したらしい伊織に服の裾を引っ張られたので、顔を上げた。
「どうした?伊織」
頬を撫でながら尋ねると、伊織は黙って俺の事を見つめてきた。その表情を見て、肩を抱いて顎に手を宛てて確認をする。
「気持ち悪くならないか?」
「……ならない。飛雄、いっぱい……キスして」
甘え求める伊織に触れるだけのキスを始める。何度も何度も触れては離れてまた触れて。
唇だけでなく、頬や瞼もして、首筋に吸い付いて隠せない場所にキスマークを付けてやった。
前までは嫌がっていたのに、今は欲しくて仕方ないのか、伊織は事ある毎に首筋へのキスマークを求めてくる。
伊織の要望に答える様に、執拗いまでにキスマークを首筋に咲かせてやる。
キスマークだらけの首を見て、これは明日は伊織は学校を休むしかないだろうな、と思っていた。
「明日は学校休むんだぞ」
「……うん」
「悪阻もあるし、吐き気が酷くて休むって事にしろよ」
「……飛雄の部屋行っても良い?」
抱き着く伊織を抱き締め、頭を撫でながらに了承してやる。日中は親はいないから、悪阻の吐き気でトイレに行かれても問題ないからだ。
「好きなだけ俺の部屋に居ていいからな。今から行くか?」
チラッと時計に目をやると、同じく時計を見ていた伊織は頷きながら答えた。
「行く……。お父さんもお母さんも明日帰ってくるから」
最近、本当に伊織の両親は多忙の様で不在が続いていた。そのおかけで伊織の悪阻に気が付かれないので、助かっているのだが。
流石に毎日交流があれば、悪阻が酷い伊織に不振感を持って、病院に連れて行かれていただろう。
伊織を連れ出す為に、下着は付けさせずにワンピースだけを着させ池ヶ谷家から今日も伊織を連れ去ってしまう。
互いの親にも、周りにも隠し続ける俺達の許されない関係性に酔いしれながら。
「俺の部屋に着いたらマッサージもしてやるから」
「飛雄のマッサージ、凄い気持ちいい」
甘え声で伊織は言ってきたので、悪阻の吐き気が治まってきているのが分かって安心した。
早く伊織の悪阻が落ち着いて欲しいと思いながら、伊織を独占出来る毎日に酔いしれていた。
(2021,6,11 飛原櫻)