第2章 出会いは突然に
「あ〜…確かにな、俺は沙悟浄。悟浄って呼んでね?かわいーお嬢さん」
「僕は猪八戒です。八戒と呼んでください」
『あ、私は…… ミコトです。それでこの子が』
「狐さん…と呼ばれていますが、コンと呼んでください。
ミコトさん宜しいですか?」
『えっ、うん……(名前あったんだ)』
三蔵以外の挨拶が終わり、暫くの沈黙
気まずい雰囲気に耐えられなくなった私は
『あ、あの……』
「……あ?」
三蔵に向けて声をかけてみたが、なんかめっちゃキレてる? キレてますよね?
『な、なんでもないです……』
申し訳ない事をしたと思い少し落ち込んでいると
「……チッ…玄奘三蔵だ」
『えっ?』
「……なんだ?」
『いえ、よろしくお願いします……』
答えてくれた。怖いけどやっぱり優しい。
なんだかんだ優しいよね、三蔵って。
アニメで見ていた感じだな……なんて
そんな事を考えていたら、まだもや悟空が
「ミコト、さっきの技ってなんだ?」
名前を呼ばれ、さっきの技について聞いてきた。
「確かに、気になりますね」
「だな、あんな大量の妖怪を全員動けなくするんだからよ」
「……あれは一体なんだ?」
先程の技についで四人が一斉に聞いてきた。
『あれは、私の能力の一つです。魔風神って言って、風を相手の周りに展開させて動きを封じているんです。
本来は身を守るための技なんですけどね』
「すげぇー! 他にも何か出来るのか?」
悟空はキラキラした瞳で私に聞いてきた。
答えても良かったが
『あるけど…でそれは今度ね?』
と答えた。
「えー……なんでだよー!」
『だって、全部教えちゃったら面白くないじゃなん♪』
なんで言ってみる。本当は教えても良かったけど。
そんな事と話していたら
「……おい、ミコトと言ったな.」
『はい、そうですけど……』
「……。」
何故か名前を呼んだ後、黙る三蔵。
心配か、それとも気になったのか八戒が
「どうしました、三蔵?」
と、声を掛けていた。
また暫くの沈黙の後
「ミコト、お前は俺達と一緒に来い」
『えっ……?』
「三蔵?」
「おやおや、これはまた」
「どういう事だよ三蔵?」
突然の展開に私や他の三人も驚いている。
そんな状況の中、三蔵は気にせず私に近づいてきた。