第2章 出会いは突然に
「……。」
無言の圧力……
いや、誘われたのは嬉しいし断る理由もない。
大好きな彼らと共に居られるなら願ったり叶ったりだ。
一緒に行けたら嬉しいけど……
『どうして……ですか?』
私が気になる事を素直に質問した。
初対面で変わった能力も使って怪しさ満点な私を一緒に連れて行くなんて……
「……興味が湧いた、お前の力は使えそうだしな」
と答えた。
あーまぁ、そうですよね……
「……で? どうさる?」
『えっと……じゃあ着いていきます』
「……あぁ」
こうして私は、物凄い展開の速さで三蔵達と行動する事になりました。
「やった! ミコトと一緒に旅が出来る!」
「むさ苦しい所が華やかになるなぁ」
『よ、よろしくお願いします』
「コンもよろしくな!」
「はい、悟空さん!」
「よぉし! 早速、車に乗って出発だー!』
悟空が私の手を取り、ジープ……白竜がいるであろう場所へと引っ張られる。
『わっ……そ、そんなに引っ張らないでー!』』
その後ろで、八戒が三蔵に向け小声で質問をする。
「どうしたんですか急に?」
「……何がただ?」
「彼女を連れて行くなんて、どうしてかなと思いまして」
「……あいつの力に興味が湧いただけだ」
「本当にそれだけですか?」
その質問に、三蔵の眉間にシワが寄る。
「……何が言いたい?」
「ミコトが心配になって一緒に行こうと誘ったのかと。彼女、可愛いですから」
「……ハッ…んな訳あるか」
「そうですか……クスクス…」
「(……心配なのは確かだ。恐らく、あいつにバレると厄介になる。……だが、それだけで俺があいつを?)」
そう心の中で思う三蔵だった。
三蔵一行とミコトとコンを眺める人物、それは誰にも気づかれない。
「ふーん…… ミコトちゃんか。
随分と可愛い巫女ちゃんだなぁ。」
そう遠くで誰かが呟いた。