第4章 黄色い瞳は何を見る(前編)
「シンプルな質問やね。ウチらは海の向こう、ずっとずーっと西の大陸から来たんどすわ……」
話を聞くとどうやら、妖怪の被害から人々を救う為に西から来たと言う事だった。
「そりゃあ、ご苦労なこった」
「僕らも見習わなくちゃですね」
「うるせぇ……」
話を聞いた悟浄と八戒はからかうように三蔵に視線を向けてそう答える。悟空はずっと気になっていた事を質問し始めた。
「あんたのいた大陸ではさ、死んだ人間を蘇らせるなんて皆が持ってるのか?」
その質問に対して
「そないな事ありゃしません。あれはウチのオリジナルや」
そう言い、簡単に説明をする。どうやら蘇らせている訳ではなく、うつし替えるらしい。妖怪の魂を回収し、その魂を人間の蘇生に使っていると説明してくれた。魂があれば何でも蘇生出来るとの事。
悟空は「この骨付きチキンも?」と質問していたが……
それはどうなのだろうか
「妖怪は? 人間の魂を使って妖怪を生き返らせる事も可能か?」
三蔵は質問する。その質問に私達は男を見つめる。
「……なんの為に、どすか?」
空気がまた張り詰める。
もし、妖怪を生き返らせる事が可能なら色々と厄介になる。「アニメで見る分にはワクワク展開だではあるけど」なんて私は思っていると
「ミコトもあんな能力あるの? まだ能力あるんだろ?」
『えっ?』
「あんな凄い能力あるんだし!」
突然の質問に困る私に男が声を掛けてきた。
「お嬢さんも何かできますの?」
「沢山いる妖怪の動きを一瞬で止めるんだぜ! 他にもあるらs……」
「……っおい、悟空!」
三蔵が止めに入ったが、悟空が私の能力について少し話してしまった。そして男はニヤリと笑い私の方を見る。見られている事に気付き、三蔵の後ろに身を隠す。
「動きをね……お嬢さん、他には何ができますの?」
『……っ!?』
改めて質問され、ビクッと身体が跳ね小刻みに手が震える。優しい口調で質問されているはずなのに、何故か怖いと思ったしまう。男は「教えてくれへん?」と言って私の方へと一歩近づく。
『……それ、は……』
何か言わなくてはいけない。でも怖くて声が上手く出せない。
ギュッ…
「答える必要は無い」
三蔵が後ろで隠れている私の手を掴み抱き寄せる。