第1章 始まりの合図
モゾモゾ
『ん……?』
何かが、私の体に触れたような気がした。
ツンツン
『……んん?』
私はそっと目を開ける。
そこは私が最後にいた場所……神社ではなく、木々に囲まれた場所だった。
『あ……れ?』
ここは何処?
というか、私は死んだのでは?
「ミー‼︎」
『……っ!?』
突然何がに声を掛けられてビクッとなった。
声のする方へ視線を向けると、小さな狐? がちょこんと居る。
『……かわいい』
そう呟き、抱き抱える。
「ミー♪」
どうやら嬉しいらしく、尻尾を振り嬉しさをアピールしてくる。
そして、抱きかかえたまま立ち上がり
『……ここは一体? というか、私は死んだんじゃ?』
「君は転生したんだよ?」
『……っ!?』
「あれ? 聞こえたない?」
突然の声、そして、転生という言葉。
声がした方は……
『……う、そ……』
小さな狐から声がする。
「僕が君を転生させたんだよ! 君が望んだから!」
『……私が望んだ?』
望んだのだろうか?
「そう! 最遊記が見たいって!
だからね、連れて来たの!」
狐はそう言い、キラキラとした瞳で私を見つめる。
ん? 連れてきた?
最遊記が見たいから?
私はアニメが見たかったって事だけど?
……転生……?
それって?
『連れてきたって……』
「最遊記の世界へ!」
あぁ……うん、そういう事な。
……って…
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?』